トロイメライ

ツアーを終えて、立ちはだかる山積みの課題の壁に
どこから手をつけようか途方に暮れかけているのだが
まず何よりも
譜面を早急に整理する必要があると感じた。

今年、特にスペイン/ヘレスから帰ってきてからの活動は
これまでと違うメンバーでの活動が急速に増えたのもあり
曲を選び、或いは新曲を描いて
アレンジし、譜面を書き、仕込む、という
【ライブのための曲=譜面を揃える】という作業に
若干、追われ気味な気がしていた。

今までずっと使ってきた、分厚い譜面の束が
このところ全く機能していないのも感じながら。
この連休は予定を入れていなかったので
ゆっくり時間を取れるのも、タイミング。

昨朝から一日かけて
これまで定常的に使っていた譜面や
新しい活動の譜面で、そのままになっていたのを
全て引っ張り出し、選定し、捨てたり拾ったり
足らないのをコピーして、分けて
揃えに揃えた結果
結局、ファイル、16冊分。

先ほど、やっと全て終了。
まるまる1日かかった。
印刷した譜面の枚数は、800枚近く。
週末にA4の紙を買い足しておいてよかった。。。。

〜〜〜
整然と並べたファイルを前に
達成感にちょっとご機嫌になりながら
何気なく数えていると
16冊のファイルのうち半分が
この1年で新たに動かし始めたプロジェクトだった。
IMG_6936.jpg

気付いて無かった。
そうだったのか・・・・
なるほどね。。。

視覚的、物理的に整理されると
頭もすっきりと整理され
足らなかったものや余分だったものや
求めていたものや
眠っていたものが、見えてくる。

〜〜〜
正直な所、まともに音楽人として活動が出来ているのは
ここ6、7年の話。
きっかけは、何度もブログにも書いているが
2007年春に参加した関西Jazz-Funk Sessionで出会った猛者達。

振り返ればここまで、本当に
必死だったと思う。

音楽を生業にしようと思ったのも遅かったし
その最初の活動で、ぶっちゃけ、つまづき
そこから抜け出した時にはもう30代の半ば。
音楽人ならば、もうある程度の地位と実力を
確立していて然るべき年齢。

ここ6年は
我が振りも見返らずに、突っ走ってきた気がする。
そこで求められることはいつも、自分に出来る以上のことで
もちろんそれは、有り難いことで
それに必死で応えようとしているうちに
確実に、力は着いた。

素晴らしいミュージシャンとも知りあい
彼等と何とか渡り合えるようになってきて
それは、自身としても大きな成長で
しかし自分の中に潜んで、眠っているものには
あまり目を向けている時間が
無かったかもしれない。

起きて、目の前に訪れるレースを走るのが精一杯、のような。
本当はこういうのもあるのにな、ということに
目をつぶっていたというか。
いや、言い訳はしたくないが
正直、こんなところにまで、、という
自分では気付いていないトラウマが
未だに残っていてげんなりすることも多い。

殴られるという恐怖は、思いの外
自分の中に禍根を残している。

好きなようにしたって誰ももう殴らないのに
勝手に自分に、そうやって、しちゃいけない枠を嵌め込んでいるのだ。

そういう意味で、話が飛躍するようだが
戦争や暴力には、絶対に反対。

暴力支配は、その人の思考や意志を停止させ、自由と尊厳を奪う。
引っ越しの時に押し入れの奥に押し込んで
そのまま忘れていた荷物のように
時折、整理しているとこうして顔を出してくる。
そうして一つ一つ、自分で取り除いていくしか無いのだが。

〜〜〜
譜面を整理する間にどんどん激しくなる雨音を聞いていると
ここのところ聞いていなかったある音が
急に聞きたくなった。
Enrico Pieranunzi
そして Antonio Loureiro。

有機的な
移り変わる風と時間の、音の色彩。

〜〜〜
好きなものは、一つじゃないのに
何か一つに決めようとしていたかもしれない。

腹を直接ねじられるような強烈GrooveのJazz-Funkも好きで
無条件に頭をしびれさせるラテンジャズも好きで
体の芯が震えて止まらないフラメンコも好きで
でも、到達点が波の向こうへ流れて消えるような
薄い色で描かれる水墨画のようなモノトーンの音も
本当は、好きで。

〜〜〜
自分の核心に迫ることは
実は一番、勇気の要ることなのかもしれない。
理由無く好きなものに
理由無く向き合うこと。

〜〜〜
こんなことを書きたいんじゃない
こんな風に歌いたいんじゃない
こんな風に弾きたいんじゃない

こんなことを書きたい
こんな風に歌いたい
こんな風に弾きたい

その両方が見えたツアーで
ああ本当に、課題山積。

でも
別に誰に活動を縛られているわけでもないのだから
好きにやればいいよね。

〜〜〜
一連の譜面を整理していて
あまりやっていないのに、
ありとあらゆるところから
まるで寄生していたかのように
果てしなく出て来た曲がいくつかある。

Visions / Stevie Wonder
Love Dance / Diana Schurr
You don’t know what love is

そんなにやりたきゃ、やればいいのにね(笑)
何でやらなかったんだろう。

実のところ、Visionsのような
静かで、マイナーのバラードばっかりで
ライブやりたい。
ていうか、やりたいなら、やればいいんよね。
自分の好きなことを。
もっと自分が本当に求めている音に
ちゃんと耳を傾けよう。

〜〜〜
ひょんなご縁から、アップライトのピアノを再び
迎え入れることになった。
遠く、天草からやってきてくれる、優美なピアノ。
来週、届く。

それが来たら、最初に、これを弾きたい。
ホロヴィッツのモスクワ凱旋コンサートで最後に弾かれたこの曲。
これを、美しく夢見るように
弾けるようになりたい。
IMG_4824.jpg

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