ロルカ

フェデリコ・ガリシア・ロルカの詩集を買った。

  *
2月以降、フラメンコの仕事を少しずつ頂いている。
(スケジュールは近日掲載します)

フラメンコへの憧れは、長い。
中学校にまで、遡る。
”花とゆめ”に掲載されていた【ツーリングエクスプレス】という漫画は
以前にもこのブログで紹介したことがあるが、ICPOの刑事と国際的スナイパーの話。


世界各国の時事問題が取り上げられ
各章で、旧ソビエト、香港、スペイン、など編がいろいろある。
絵はもちろん、その話の背景の描き込みも素晴らしく
今でも愛読している漫画の一つ。

私は何でも、ひとつをやり込むタイプなので
家に全巻で揃っている漫画は片手ほどだ。

このスペイン編の中で、ジプシー達と刑事が
馬車で、とある目的地に向かう場面がある。

日が落ち、野営を張り、ギターで歌い踊り出す人々。
刑事が踊り子にあなたも踊りましょうよと勧められ
僕は踊りは出来ない、と断り
じゃあ何か、と言われて、歌を披露する。

ギタリストに「アランフェス協奏曲第2章を」と頼み
すうっと息を吸い込んで、歌い始める。
やがてその歌にあわせ、踊り子が踊り始める。
歌を聴きながら、ジプシー達は頭を抱え、涙を流す

  *
 馬は黒
 蹄鉄も黒
 マントの上にインクと蝋のしみが光る
 頭蓋骨は訛りで出来、それゆえ彼らは涙を知らぬ


 ベツレヘムの門にジプシー達が集まっている
 満身創痍の聖ヨセフが一人の乙女に死に装束を着せてやる
 がんこな鋭い銃声が一晩中鳴り響く
 聖母マリアは唾液を塗って
 子供達の傷に手当をする

 けれどもなおも警察兵は
 焔をまきちらしながら進んで来
 その焔の中で空想が
 若い裸で燃え上がる

 カンボリオ家の娘ローサは
 切り落とされた2つの乳房を盆にのせ
 戸口に坐って呻いている

 そして他の娘らは
 編毛をなびかせて走っていた

 黒い火薬のバラの花が爆発している空気の中を

 屋根という屋根が大地の畝になった頃
 あかつきが石の長い横顔の中で
 肩を揺すった

 おお、ジプシーの町よ!
 一度でもおまえを見たら
 誰がおまえを思い出さずにいられよう?

 わたしの額にお前を探せ
 月と砂の戯れを
 おお、ジプシーの街よ!

  *
ロルカの詩であることが、次のページで明かされるのだが
この場面を読んだときから、ずっと気になっていたことがある。
アランフェス協奏曲はインストの曲だ。

それを弾いてもらって、その上でロルカという人の詩で歌うってどういうことなのか?
歌のメロディが別にあるのか?
アランフェスに、ロルカという人が詩をつけたのか?
もしくは、アランフェスに、歌があるバージョンがあるのか??

  *
フラメンコカンテを少しやるようになって
詩とメロディの関係が、自分が今までやってきた音楽とは
かなり違うことが分かってきて
この疑問は少し解けつつあるが
いつかこの詩でカンテを歌ってみたいと
その時以来、ずっとかれこれ30年以上(笑)思っている。

  *
この場面を読んだ当時は
ロルカの詩でスペイン警察兵のロマンセ、とタイトルだけ分かっていても
その全貌やら、どこに載っているのかなんて探しようもなかったが
インターネットが普及して、こういう資料の検索は
恐ろしい程に簡単になった。
ありがたいものだ。
スペイン警察兵のロマンセ
Romance De La Guardia Civil Española
– by Federico García Lorca
  *
Los caballos negros son.
Las herraduras son negras.
冒頭の、馬は黒、蹄鉄も黒、の部分。
そして何度も出て来る
¡Oh ciudad de los gitanos!
おおジプシーの街よ!
これを朗読しているサイトがあった。
原語で聞くとまた、情景が浮かび上がってくるような気がする。

  *
いつか、カンテでこの詩を歌いたい。
スペイン語を今、勉強している。
文法を身につけて、自分の言葉でこの部分を翻訳するところから
始めてみたいと思う。

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