分岐点

ふと気付くと、2ヶ月ぶりの休日。
昨日は久しぶりに、音を聴きに出かけた。
豊かで素晴らしい音と空間に包まれ、懐かしい人の姿に触れ、美味しいものを食べて
心安らぐひとときだった。
この1週間の、殺伐とした自分に、水がしみ込んでくるような、時間だった。
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きっと、みんな、同じだろう。
この1週間、何も考えなかった人を探す方が難しい。
今までの自分に喝を入れた人も居る。
行動を起こしている人も居る。
そんな人を見送りながら、自分自身は進めずに、まだやり方を模索している人もいる。
私は、後者の一人だ。
私には、残念ながら、今直ぐ被災地に出来ることは何も無い。
地震後したことと言えば、すぐに募金だけして
現地に住む友人夫妻からのコンタクトを待っていただけだ。
コンタクトがあることを、祈りながら。
先の地震では、コンタクトが取れないのを、病院で必死で救助に当たっているからだと信じていた看護婦の親友の所在は5日後、別の友人からの電話で知った。もう、荼毘に付された後だった。
現地の友人は、夫妻ともに医師。
最近連絡がついて、無事でいるが、ガスが使えないのが非常にきつい、という連絡が先日あった。
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大きな災害は、否が応でも、人に、そして、人と人との関係に、分岐点を与える。
先の阪神大震災は、私に、研究者としての道から、音楽人への道への転換を与えた。
また、様々な考えが交錯する中で、新たに出会った人も入れば、袂を分かった人も居た。
災害時には、普段は絶対に見ることの出来ない、人間の本性が現われる。
もちろん、自分もだ。こんな想いがあったのか、という本性に、戸惑ったりもする。
それくらい、災害というものは、人に
生きるということ
遺されるということ
命は、有限であるということ
人は、いつでも等しく平等では無いことを、刻み付ける。
砂金のように美しい感情も
ヘドロのようなどす黒い感情も
人という動物に、間違いなく、存在するものだ。
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先日、高槻JK CAFEで行ったDUOのライブは、
自分自身には大きな転機の一つとなった。
小さなライブだったが、自分にとっては、大きな足跡だった。
ずっと自分の中に潜ませていた音を
ようやく、恐れず、出せるようになった。
今後、私の展開は、また違った局面を現すことになるだろう。
今までと違ったスタイルに、戸惑われるかもしれない。
でも、今までの自分も、決して嘘では無い。
全ては、自分が歩んで来た道の上に、成り立っているものだ。
私はこれまで、様々な分岐点を選び選ばされて生きて来た。
人があまり経験しないで済むような分岐点も沢山あった。
しかしどの選択も、自分でしたものだ。
別の道を選んでいたら、どうなっていたんだろう、と思いを巡らすことはあっても
後悔はしていない。
いつも分岐点が与えるものは
別れ。
そして、出会い。
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今回の東北地方太平洋沖地震の被害は、甚大すぎるが
それを含め、現在郵便貯金で扱っている義援金だけでも、こんなにある。
◆東北地方太平洋沖地震
・中央共同募金会東北関東大震災義援金
・日本赤十字社東北関東大震災義援金
・東北地方太平洋沖地震災害
  宮城県災害対策本部
  岩手県災害義援金募集委員会
  福島県災害対策本部
◆新潟県の大雪による災害
・十日町市豪雪災害義援金
・上越市大雪災害義援金
・妙高市豪雪災害義援金
◆新燃岳噴火災害
・高原町新燃岳噴火被害義援金
・都城市新燃岳災害対策義援金
・小林市新燃岳災害対策義援金
・霧島市新燃岳災害対策義援金
・社会福祉法人 宮崎県共同募金会新燃岳義援金
◆平成22年10月20日の大雨による災害
・奄美市豪雨災害義援金
・奄美大島龍郷町豪雨災害義援金
・大和村豪雨災害義援金
・奄美群島広域事務組合豪雨災害義援金
◆宮崎県口蹄疫被害
・宮崎市口蹄疫被害義援金
・えびの市口蹄疫防疫対策本部
・川南町口蹄疫対策支援金
・新富町口蹄疫対策義援金
・高鍋町家畜防疫対策本部
・国富町口蹄疫対策義援金
◆ハイチ地震災害
財団法人 日本ユニセフ協会
◆ニュージーランド地震災害
日本赤十字社
http://www.jp-bank.japanpost.jp/kojin/tukau/fukusi/kj_tk_fk_gienkin.html
ここ最近起こった災害に対してしか、義援金は受け付けていない。
昨年、そしてもっと前に起こった災害から復興出来ていない人も沢山居る。
先月起こったニュージーランド地震でも
まだ見つかっていない日本人の方が居る。
この全てに、義援金を出せるほどの余裕は、自分には無い。
でも、私は、こういう所に、目を届かせて、いたいのだ。
こんなのはごく一部で、世界中にある難民キャンプ、内戦跡地。
人の救いを求めている場所は、枚挙に暇が無い。
私という人間は、こういう時に何故か、その影の部分に目が行ってしまう性分らしい。
そういう小さなところにいつも、目を向けていたいし
先の震災以降、今までずっと実行してきた。
それは、今後も変わらない。
今、この地震に世界中の目が行っているからこそ
そのスタイルは、変えずに居たい。
それが私が、今回の分岐点で
1週間かけて出した、私の選択だ。
募金はした。
後は、自分の知人たちに、私が出来ることをする。
それくらいしか、私には出来ない。
いくらあおり立てられても、無い袖は触れないし
自分に余裕が無ければ、人の支援など出来るはずが無い。
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今回の地震で一つ、決めたことがある。
愛犬の香雪に、子供を産ませることにした。
まだ仔犬なので、産ませるのは、当分先だけど。
私は、これからは、こうして目に映る、小さなものを、守りたい。
私や私の周りに居てくれる人たちの、小さな幸せや、見えない深い悲しみを。
ウチに来て3ヶ月。
いつの間にか、ベッドの高さに飛び乗って、勝手に布団の上で休むほどに成長した
小さな小さな体の香雪。
とても聞き分けの良い彼女だが、この布団の上だけは、いくらダメだと言っても譲らない。
私の匂いが、するからだろうか。
そんな彼女は、
私が歌い出すといつも
静かに物音一つ立てず
足下で
耳を澄ましている。

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