宮古島旅行記

誕生日の1月12日から3日間、宮古島旅行へ。
久しぶりの沖縄。
冬になる頃、友人が1/13の宮古島ワイドー100kmマラソンを走ると聞き
折しも3連休だし、応援行こう!という言い訳の下、女4人旅。


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碧の海
白の砂浜
延々と平らに広がるさとうきび畑は
穂が出ると、収穫の合図だそうだ。
それ以外には、何んにも無い
一日で回れる小さな離島。
夕刻前に到着すると、雨予報だった空の雲が切れてきて
太陽が顔を出した。
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近くのビーチまで陽が落ち、空の色が変わっていくのを眺めに行き
しばし、遠く宮古に来た実感をかみしめる。
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その足で、郷屋という、三線のライブのあるお店に連れていってもらう。
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三線のライブのある店がいい、と同行者が言うのでついていったものの
正直なところ、ガイドブックを見ても観光客向けのしゃんしゃんしゃんのライブで
あまり興味をそそられたわけでは無かったが
That’s 観光地の雰囲気もまた悪くない。特に反対することもなく店に向かう。

店につき、シークワーサーハイと島らっきょうの天ぷら、ラフテー、海ぶどうといった
沖縄料理を楽しむうちに
ステージで男性が1人、三線とボーカルのマイクのチェックを始めた。
PAシステムがあることも少し驚きだったが
その男性の細身の体、足にぴったりと添うジーンズ、デビットボウイの黒いTシャツは
どこから見てもロック系の雰囲気で、PAの人だと思っていたら
ライブの定刻になると、そのセッティングしていた男性が
和柄のTシャツに着替えて現れ、三線を持ち
もう一人、浅黒く日焼けした
二の腕の逞しい男性がギターを抱えて隣に座った。
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黄色い紅型の琉球舞踊衣装で、民謡を演奏する場所だろうと勝手に思っていたので
都心でも見るような、普段着系の男性2人が出てきたのは、かなり意外だった。
ギターの弾き語りと、三線の弾き語りのDUO。
耳馴染みのある島歌が続き
3曲目あたりで、【満月の夕】が歌われた。
1.17の震災の時に描かれた歌。

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風が吹く
港の方から
焼けあとを包むようにおどす風
悲しくてすべてを笑う
乾く冬の夕
ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る
ヤサホーヤ たき火を囲む 吐く息の白さが踊る
解き放て 命で笑え 満月の夕
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思いだす18年前のあの日。
何十本、何百本と立ち上る煙。
救助と消火が追い付かず、途切れることなく鳴り響くサイレン。

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この日、ホテルまでレンタカーを運転しながら
街の景色を眺めていると
道路標識は潮に褪せ、文字が消えかかり
家屋の壁はところどころ、海風に侵されて崩れ落ち
どこが中心部なのか見過ごすほどに小さな市街地。

沖縄本島からも300kmある、離島暮らしの厳しさを感じていたが
歌う2人の男性の声に
ここに住む人の、この島に住むと決めた覚悟の潔さと
ここの暮らしの、心地よさと
それと裏返しの、途轍もない哀しみのようなものを感じて
目の奥がじぃんと痛んだ。

それに続いて、宮古の方言で歌われた、宮古民謡のメドレー。
ゆるゆると揺蕩う波間のような、英語にも似た抑揚の
温い響きの宮古言葉。
感動した。
NYCで見た、ハーレムでのゴスペルに、相通じるものを感じた。
この2人は、どう考えてもこれだけで食べている人ではなく
昼間は農作業か何かをして、夜は店で歌うというスタイルなのは明らかで
技術的に上手いか上手くないかという二択なら、失礼ながら、決して上手い方では無い。

でも、間違いなく
【良い音楽】
だった。

人が生きる=つまりは、人生、という
重たくも、最も重要なところを
軽々とつかみ、ふわりと包みこむような歌と弦で
宮古に暮らし、宮古の言葉を使い、宮古で歌うという
地元に根ざし、地に足の付いた、歌へのシンプルで強いソウルを感じた。

ギターは、簡単なストローク系のパワーコードで掻き鳴らすか
シンプルなアルペジオくらいだけれど
それに寄り添う三線の音、

民謡や、よく知られた曲を自分なりにアレンジし
自分たちの解釈で歌い
特に、声を張り上げ、すいっ、すいっ、あいやさっさ、と言った合いの手には
歌以上に強烈なグルーブを感じた。
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結局、音楽とはこういうことなのだ。
自分が歌いたいこと、弾きたいことがあり
歌い、弾きたい気持ちがあり
自分の下に、歩き、根を下ろしたい大地があり
それを踏みしめて、歩く自分の足があり。

食べるとか売れるとか、音楽だけでやっていく、というのは
その先にあることであって
飯を食らうことが、音楽の目的になるのは、本末転倒だ。

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若いミュージシャンで
ただ鬱々と早朝深夜バイトとスタジオと、大して客も集まらないライブを繰り返し
チェーンの居酒屋やファミレスで
レンジであたためられた餌のようなアテを食い
仲間同士で小さく集まって
どうしたらこの状況が変わるのかと、ぶつぶつ愚痴たれている暇があったら
国内だろうが国外だろうが、バックパック一つで旅にでも出て
その土地で覚悟を決めて暮らしている人と膝を突き合わせて話をしてみろと言いたい。

ソウルの無い音楽など
ただの騒音の羅列。
旅先で聞くシチュエーションの下駄を差し引いても
ほんとうに素晴らしいライブだった。

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途中で、お客さんに参加してもらうコーナーがあることを告げられる。
「どなたか、ぜひ。。。。」と言われたところで
三線の人と一発で目が合ってしまい、ステージに引っ張り上げられる。
琉球太鼓の前に立たされバチを受け取り
じゃあ今から練習してみましょう、と簡単なリズムを教わる。
「・・・・・うまいですね(笑)」

黙っているのも逆に厭らしい気がして
大阪で活動している、と明かす。
知らない島歌で、専門外の楽器、専門外の音楽。
セッションの原点を見るような飛び入りだったが
相手の呼吸を読み、音の先をつかむ感覚は
NYCやボストンで経験した、ツワモノたちとのFunk系セッションと
変わらなかった。
私はグルーブ至上主義ではないが
この時の3人の演奏は
明らかに
グルーブしていた。

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ライブ終了後、演奏者の2人に声をかけると
最初からこちらに目が止まっていたらしく
そこから夜更けまで、音楽の話をしたり、宮古島の話を聞いたり。
2人は、内地からの移住組で、一人は新潟、一人は埼玉。
昼の仕事は、一人は農業、一人は介護職。
宮古に住んでもう、10年以上になるという。

割り水した泡盛を途切らせることなく
深夜になれば、宮古名物の「オトーリ」(高知で言う「返杯」の集団システム)
高知と少し違うのは、最初に”親”になった人が
自分の口上を述べてから、どんどん杯を回していくこと。
こうして、人の前で話すことで
自分の意見を整理し、主張し、確かめていく。
そういう風土もあるのだろう。
明確に、自分の立ち位置やスタンスを話し
素直に気持ちを表現するお二人の話しぶりは心地よく
ついつい杯が進み、深夜まで話し込んでしまった。

連絡先を伝えあい
この旅の間に、作業しているさとうきび畑に寄ることを約束して
その夜は別れた。

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2日め。
早起きして、100kmマラソンを走る友人を応援し、
その合間に観光。
友人は、目標だった50kmを4時間余りで完走。
素晴らしい。
夜は、走りきった友人たちと合流し、沖縄料理の店を2軒はしご。
部屋に戻ってさらに3次会、4次会。
友人の、完走出来た晴れやかな様子につられ、しこたま酔う。
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3日め、島を車で回る一日。
まずは来間島を目指す。
島に渡る、この橋からの眺め。
これ以外に、何が必要であろうか。
コバルトブルーの海、とか
白い砂浜、という形容すら不要。
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宮古や沖縄の食材を使ったカフェ、「楽園の果実」で遅めのブランチを取り
併設の、センスのいいショップでTシャツと、石の指輪を買った後
宮古本島の、ユートピアファーム、という果実園へ。
こちらでは、マンゴーやスターフルーツといった果物のほか
ハイビスカスやブーゲンビレアを育てておられ
その丹精された花の見事さに、思わず長居。


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まだインパチェンスが咲いていた。大阪なら夏の花。
さすが沖縄。。。
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デイゴ、サンダンカと並んで沖縄の三大名花と言う
オオゴチョウ。華やかな花ぶり。
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それにしても、このブーゲンビレアの
染め上げたばかりの布のような
見事な色といったら。。。。!!!
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ブーゲンビレアの見事さにつられ、珍しく女の子らしい記念撮影(笑)
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ひとしきり楽しみ、ここで取れたマンゴーを使った
ソフトクリームに舌鼓。
そうしているうちに、15時前に。
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1日目に会った、ギターの男性=W氏から
3時頃休憩があるからそこで連絡くれたら出れる、と聞いていたので
向かいながら電話をかけてみる。
電話の向こうで、強い風の音と、それに負けずに声を張ってしゃべるW氏。
途中の交差点まで迎えに来てもらい
作業をするさとうきび畑へ。

宮古島の地元のおじぃがやっている、昔ながらの方法での収穫のスタイルらしく
刈り取った後のきびを、小さく分ける機械が畑の真ん中にあり
その周りで、W氏と、もう1人、神戸から移住してきたという男性が
泥まみれで作業をしていた。
「食べてみますか?」と一本
刈り取られたばかりのきびの原木の皮を剥いてもらう。
想像以上の甘さ。
だが、柔らかな味で、嫌みが無い。
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そして、せっかくだから、と刈り取る作業も体験させてもらう。
こうしてここに斧を入れるんだよ、と見本を見せる背中が力強い。
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見本通りやってみても、きびの根元はとても固く、
斧に慣れていないとなかなかむつかしい。
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1本1本引き抜いていると面倒なので
何本か斧を入れたら一気にまとめて引き抜くそうで
常に腰をかがめての、かなりの重労働な様子を知ることが出来た。
この時期はさとうきび、これが終わるとタバコの葉、
その後にマンゴー、と
知り合いの畑を順繰りに回って作業するらしい。

「こんな暮らしですよ」と汗をぬぐいながら
泥の沁み込んだ地下足袋で、手斧を片手に
刈られた後のきびの皮の上をざくざくと歩くW氏からは
1日目のライブで感じた通り
ここで暮らす覚悟と自信と、それをほんとうに楽しんでいるのがにじみ出ていた。

無造作に置かれた、使いこまれた手斧が
きつい日差しに映える。
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またこの人や、この人の仲間たちに会ってみたいし
次に会う時も、自分がそれに相対せる自分であるように居たい。
なので、別れ際の挨拶は
「またね!」
と言っておいた。

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空港へ向かう道々、全国的に大荒れ、東京方面も雪で大混乱なことを知る。
宮古から那覇に着くと、空港も、欠航や遅延の影響で騒然としていたのだが
幸いにも、少し遅れただけで、ほぼ予定通り帰阪することができた。
友人の応援がてら、ふらりと寄った、というくらいの
3日間の宮古旅だったが
随分と濃厚な3日となった。
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W氏と、共演していたK氏に聞いたのだが
宮古島では、ミュージックコンベンション、という大きな音楽イベントがあるそうで
これにぜひ、一緒に出られたらいいのにね、という話に。
実現するといいな。
いや、いつか必ず、実現させたい。

そうすれば、自分の碧コレクションにまた
沖縄の吹き硝子を一つ増やせるしな。
今回仕入れてきた、真ん中の小さなグラス。
柔らかい手触りと、この蒼の感じ。
とても、気に入っている。
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今夜はこれで一杯飲みながら
満月の夕でも聞くとしますか。
そんな明後日は
18年目の、1.17。
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■おまけ■
ユートピアファームにて、百種類を超えるハイビスカスを見ながら
それぞれが一番気に入った花と写真を撮ろうということに。
私が選んだのは、フリルのような八重咲きの花弁が鮮やかな品種。
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写真を撮ったあとで、その花の名前を見ると
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おあとがよろしいようで。

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