文月最後の日に

お昼過ぎに届いた、A5版で300ページほどある分厚い本を今日は
一日読んでいた。
半日かかって、一気に読んでしまった。


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誰も居ない、真っ暗な道を一人
長く背負って歩いてきた
重く古い荷物を
下ろした時のような
疲労感と、安堵感。


そして大手術を受けたあとの傷口の
縫い合わせた場所を見る。
今はまだ生々しく残る傷跡と
越えて来た疲労感が勝っているけれど。
その本が教えてくれたのは
言葉にしてしまえばあまりにも簡単なコト。
自分のことでなければ
容易に導き出せるコト。


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毒で毒を制すとばかりに
癒えない傷口を更に斬り付け、毒を塗るようなこともしてきた。
そしていつの間にか
いつでも何かをする時には
”それ以上起こりえないような最悪の事態”を常に想定し
何が起こっても対処出来るように
自分を衛っていた。
そうすれば、悪いことが起こっても想定内。
落胆せずにいられる。


しかしそういう視点は、良いことが起こっても
そもそものマイナス点に加算されるだけで
良くてゼロだ。
それで、楽しいことが起こっても
心から楽しめるわけがない。


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【本より抜粋】
幸福な人生のスタートを切ることは出来なかったかもしれない。
でも、これからそれをハッピーエンドに持っていくために
出来ることは
沢山ある。


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台風、豪雨、低温、という嵐続きの天気そのままに
この7月はずっと、そんな日々だった。
そんなある日、少しきつい雨が上がった後
家のベランダから、珍しく半円の虹が見えた。
まだ残り雨の降る灰色の街の夕暮れを囲むように
大きくかかった七色の半円に
過去と未来を繋ぐ
現在が見えた気がした。


そんな文月の、最後の夜。

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