旧友との邂逅

昨日は大学時代の旧友と久しぶりに邂逅。
彼女は会社のゴタゴタ&希望退職者募集に上手いこと乗っかって、なんとこの年齢でリタイア、実家である中国地方に帰ってしまうので、こちらで会うのは多分最後。
同じ会社に勤続28年、特に今の部署に行ってからは明らかに過労死ラインを超える勤務で、もうやり尽くした、と言った彼女の顔は明るかった。

一つの仕事しかせずにここまできたので、しばらくゆっくりしたら、ちょっとバイトでもしたい、という。洋服の販売とかパン屋とかも楽しそう、同僚が送別会やってくれたんだけど、すぐ働きたくなるよ?そんなのんびりして何すんの?とか言ってきたけどさ、働きたいわけないやん?金さえあればなるべくなら働きたくないよね?あたしおかしい??なにゆってんのあたしずっとそれやで!wとか2人で赤煉瓦倉庫のオクトーバーフェスでビール浴びながら大笑いのひととき。

私が大学院出てすぐ入った会社を4年半で辞めた20代後半は、今のような転職当たり前の時代ではなく、いい大学からいい会社、終身雇用で定年後は退職金で左団扇というコースしか考えられない時代、会社を辞めると言うと同期や大学、高校の同級生たちはなんでやめるのあんな会社に入っといて、おかしいよ、辞めなくても音楽は出来るでしょと口を揃えた。

同期でひとり、送別会の時に”辞めてどうすんの”とやたら食ってかかってきたやつがいて、

音楽やるの
音楽でどうすんの、売れたいの、なんなの
そうやなぁまずは食っていけるようになりたいな
食っていくって何!?
何って…文字通り、それだけでご飯食べれるっていうことやけど…
それで食っていくって言えんの、食うってなんなの?!
ごめん質問の意味がわからない…
食っていくってどういう意味って聞いてんだよ!

その彼は、40歳の頃、くも膜下で急逝した、とその後別の同僚に聞いた。

今でも彼が何を聞きたかったのか、私から何を引き出したかったのか、もっと目標高く持てよってことだったのか、彼自身が自分の仕事に対して何か思うことがあったのか、今となってはもう確かめられない。

でもそのことは今も強烈に残っていて、その話を旧友にすると
なんか分かるかも。うわー。なんか、来るなその話。
と言っていた。

自分の人生は誰も守ってくれない。
仕事を辞めたら辞めたで、また仕事したくなるよ、働かないなんておかしい、もっと働けと言われ
病気になるほど仕事したら、そんなになるまで仕事しなくていいのにと言われ、人は本当に適当に言う。

自分は嫌な仕事でも必死で働いてんのに、お前はさっさとイチ抜けたするのなんて許さない、とでも言うように。

あたし仕事しかしてないやん、何やってんだろって思ったの、という旧友の言葉。本当によくわかる。自分もそうだった。

あまりに忙しいと、仕事しかしてないよ私、これじゃだめだ、あたし何やってんだ、ってことに気付く暇すらない。とりあえず目の前に矢継ぎで飛んでくる敵機を撃ち落とすのに必死で、その向こうの景色や自分の横を流れていく風景、自分の足元の道、上にある空の色、自分が通ってきたはずの後ろの風景、そもそも今どこに向かってどこへたどり着いているのかさえも見る余裕がない。

ふと足を止めた時、あれ、空ってこんな青かったんだっけ、こんなに向こうに、景色が広がってたっけ、世界って、あれ?こんな広いんだ?って。

彼女は飄々としつつもとても芯の強い人で、適当にいい加減なところもあるから、激務で心身を蝕まれずに済んだ、でも、もし蝕まれていたら、もうフラットには二度と戻っては来れない。そこに気づけて、本当によかった。

台風近付く山下公園には人がおらず、こんな誰もいない山下公園初めて見た、と言いながら、荒れ気味の海沿いをてくてく話しながら歩く。

彼女とは大学時代よく2人でカラオケに行ってて、あの頃からもう30年も経って、またこうして、自分たちの今を話せる。ド青春時代をお互い知ってるから、その頃を共有し、そして今も共有する。

旧友って、いいものだなぁ…
心から楽しく、くつろげて、また明日の英気になる時間だった。

さて、台風19号はどうもこれから、まっすぐ横浜方面においでなさるご様子。
しっかり備えて、今日は家を守ります。

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