生、とは。

一夜明けて。
この二日間は、「生」というものを、思い知らされる2日間でした。
金曜日は、久しぶりのSOEN。今ずっとつけているライブのSet Listのノートを見たら、何と昨年8月以来だったので1年以上のご無沙汰。
SOENは、もう長いこと出させていただいているお店ですが、全くの弾き語りは初めてで。
久々だったのと、万感の思いもあり、その日は、SOENでよく歌っていた曲を中心に、わがままにBalladばっかりやらせていただきました。
いつもSOENのライブの時は来てくださるご近所の方、ずっと応援してくださってる方、初めて来てくれた方、遠方から来てくださった方・・・あったかいたくさんのお客さんと、変わらないマスターの笑顔と
あの、澄んだ音のする空間に包まれ、歌いに歌って何と16曲。
いろんなライブハウスや、ホールや、バーとかで歌ってきましたが、やっぱりお店の音が良いというのは、これほどまでに歌っていて心地よいものなのかと、改めて思った。
SOENは、本当に音がステキ。そこにしか無い、音がある。
・・・
いつもお兄さんが座って聞いてくれていた場所には、今はお兄さんは居なくて
そこに集う人々も変わって
時も流れて
自分も変わって
でも、そこに、歌、音楽、が在るから、また集う人々。別れ、そして新しい出会い。
いつもより沢山歌ってしまったのも、お兄さんの魔法なのか・・・・
そして昨日土曜日。
夜、心斎橋で、【BANDA LIBRE】と【SALSA SWINGOZA】という、サルサ界頂上決戦的ライブを観戦。
今そこに在る音に呼応し合い、渦巻いていく、生々しいまでのむきだしの魂。
顔を崩し、体をうねらせ、生を謳歌する。
音を生む側と、享受する側。双方の気が、混ざり、ぶつかり、絡み合い、昇華していくあの数時間は、他ではそうそう体験できない、凄絶な空間でした。
昨日はSWINGOZAに数曲参加されたバタドラムの方がおられたのですが、その方CUBAまで行って、ある部族の洗礼的儀式も受けてこられたそうで。
それで、というわけではないんでしょうけれど、彼の演奏は、うまいとか下手とか、訴えるものがあるとか無いとか、そういう「今世」の次元ではなく
何というか、彼の岸、というか、この世では無い、しかし確実にある何かに向かって捧げられているような、そんな演奏でした。
SWINGOZAは、最前列にかぶりついて見せていただきましたが、ラストの方で演奏された「OGUN」という、Trb中路英明氏の手による荘厳な1曲。リーダー大儀見元氏、Pfの中島徹氏、中路氏のこのお三方の壮絶なソロ。
あれを演奏するのを、彼らの息が聞こえる距離で体感できただけでも、生きてる甲斐があった、と言っても過言ではありませんでした。
Pfソロ開けでTrbソロに渡されたときの、天空突き抜けるあの一発のロングトーンは、中島氏も口をあけて唖然とされていた音で、一音で黙らせる、その訴求力。
今まで背負ってきたもの。
優れたる人が、それと引き換えに引き受けるもの。
それを引き受けてすらもそこに立ち、生身の音を繰り出そうとする人だけが纏うことを許された、あの大きく輝く金色の「気」。
素晴らしかった。
その渦に身を任せ、知らない間に踊らされ。時計なんてどうでも良くて、気付いたら終電を逃し、三宮からタクシーで帰宅。どこかで飲んで帰っても良かったのだけれど、昨日は家に帰る気になった。
さんざ踊って汗だくになったので帰宅後すぐに風呂に入り。
久しぶりにゆっくりお湯に浸かって、一息ついたところに入った夜更けのメール。
京都でいつもお世話になっていた、ご近所だったギターショップのマスターからでした。
「悲しいお知らせですみません」
のタイトル。
メールを開くと、「塩次しんちゃん亡くなられたそうです・・・」
・・・・!?!?!?
日本のブルースマスター、塩次伸二氏、逝去。
携帯を持つ手が震えた。
そのギターショップは、塩次さんもよく訪れた、塩次氏使用のフライングVを売っていたり、というお店。
にわかには受け入れがたく、信じがたいこの知らせも、そのお店の人から直接もらったということが、コトの真実味に追い討ちをかけた。
一番最初に思った言葉は
「どうしたらいいのだろう。」
とりあえず、この瞬間に自分が出来るのは、塩次氏を知っているであろう人に知らせることかと。
京都時代、お世話になった方の一人で、何度か共演させていただいたり、お誕生会に伺ったり。その縁で、最近京都のJazz-Funk Sessionにも参加してもらっている篠原裕(Gt)氏とも知り合った。
・・・
まだこの世で修行を積まされる者
先にあの世へ召される人
震災で、友人に遺された時も思ったこと。
その後、もうこのまま高速でカーブを曲がらずに突っ込んだらどれほど楽だろうと思うような過酷な状況も何度も訪れたけれど、それでもまだこの世に残され、自身もまだ「生」の煩悩にしがみつき、生きる自分。
こういった、ご縁があったすばらしい方々が亡くなるたびに、やるせない気持ちが起こるのと同時に、まだ自分は彼の岸に届かず、この世でやるべきことがまだまだ課せられているのだ、と思います。
というより、そうでも思わないと、やるせなさで押しつぶされそうです。
それにしても、あまりな急逝でした。
あまりに素晴らしく優れた人は、神様が、もう修行はいいよ、と、早く自分の手元に召されてしまうのでしょうか。
唯一、1曲だけGtを弾いて歌える曲がありますが、その歌が、なぜか、思い出されました。
塩次氏も敬愛した偉人たちに、これから、塩次氏も、会いにゆくのでしょうか。
どうぞ、安らかに・・・・
・・・
・・・She said
“You think you’re alive・・・But baby, GOD only knows”
& That’s the thing I love about the blues
You can’t predict who it is gonna choose
But it’s an honor that you relly can’t refuse
Welcome to Acousticville
(from “Welcome to Acousticville”/Janis Ian)
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