飛び続ける鷹

”この野郎、まるで野生の鷹だ。
だがな、どこかで羽を休めなきゃ
飛び続けることは出来ないんだぞ。。。”
【”エイリアン通り”/成田美名子】


===
まだ”人生”という問題を考えなくてもいい年頃に
その年齢なら、当たり前に与えられるはずの常識や信念の基礎を
普通ならば教えてもらえるべき人に、全て壊された。
その後、そのことと戦い続けるたびに、壊されてきた。


自分が大切だと思う常識を、大切では無い、と否定され続ける。
幼い子供に眠る、根源的な、人間としての基礎。
それを壊されたことで、その信念が人として間違っていたのかどうか
確かめるところから、始めなくてはならなかった。
まだ、人として全く未完成な年齢でありながら。
自分と相反する教えと戦いながら
自分の信念と合致するものをゼロから探し
取捨選択し、自力で築き上げていかざるを得ない環境に置かれた。
その信念や常識とは、人間として、当たり前の思想。
【命を、人を、動物を、目に映るものを、大切にすること。】


===
あの場所を”家”だなんて呼べない
”家”
自分が自分で居られる場所
帰るべき場所
 【出典=冒頭と同じ】


===
今住んでいる街は、家の近くに戻ってきただけで
ああ、帰ってきた、という感覚がある。
そして、この小さいけれど、好きなものだけを集めたこの部屋が
どこよりもくつろげる。
これは、今の家に移って来て、人生で初めて感じていると言っていい。
長い長い旅の末に、ようやく見つけた場所。


自分が自分で居られる”家”がある
そこに集ってくれる人がいる、というその安心感は
もっと広い家に住みたいとか
もっとお金持ちになりたいとか
もっと有名になりたいとかいう欲望を
軽々と上回ってしまう。


それは、そこで満足したら終わり、という意味では
とても危険なことなのかもしれない。
でも
どんな鷹も
夜に、その羽を癒し、休める場所が無いと
飛び続けられない。


===
この部屋に移ってきて、2年と少し。
昨年のクリスマスからは、香雪というワンコのパートナーも同居しての
小さな暮らし。


満足しているわけでは、決して無い。
でも、今の生活に、不満は無い。
戦い、挑み続けるための、英気を養う場所。
そのための小さな部屋を持つくらいの満足は
許されてもいいだろう。


遠くを過ぎる電車の音、眼下には、車の往来。
落ち着いた環境を好む人からは考えられないような
雑然とした人いきれの街。
私はそんな、人の温度が感じられるこの街に
いつも、帰ってくる。
研究の後も。
友人との会食の後も。
旅の後も。
音楽の後も。

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