フィルター感

昨日。昼仕事の後スペイン語レッスンに行き帰宅、香雪と散歩して風呂入って、さぁこれから短めの夏休み。昨夜は名作と言われる映画を見初めてつまらなくて途中でやめたりとかしてのんびり時間の贅沢。

昼仕事の帰り際。親族のご子息が全国大会でイイとこまで行っててニュースにも出たりしてて明日朝早くから応援に行くという方の話になり、メジャーなスポーツなのでゆくゆくはプロですか?!な話題が出ていて、それを聞いてた方が

「すごいなー、それに比べたら俺、つまらん人生歩んでるなぁー。。。」

人当たりも柔らかく、いつも楽しそうに熱心に仕事をなさってる方なのだが、半分冗談ながらも少し羨ましそうな口ぶり。

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人生の折り返し的年齢に差し掛かり、今年になって初めて、これまであまり考えてこなかった「年齢的なこと」が現実味を帯びて考えざるを得なくなることが多くなった。

私のように日本語でオリジナルの歌を書いて弾いて歌うことをメインにしていると、”それをやる仕事”が来ることは率直に言って無い。”歌の仕事”として需要があるのはパーティやイベントや音の必要な場所で歌うジャズや英語のポップスなんかのカバーもの。イベント関係で日本語でカバーをやることはあっても、そこにオリジナルは不要。インストならばBGMの仕事で何気なく自分のオリジナルを紛れこませることも出来なくはないだろう。でも日本語の歌でましてやオリジナルで、そうは行かない。

オリジナルをぜひやって欲しいと言ってくれる人はもちろん居て、そういう仕事も頂く。でも、「それだけで食える仕事」にはならない。ミュージカル映画”LA LA LAND”を最近見たが激しく同意できる部分がかなり多くあり、主人公のセバスチャンもバーの仕事でクリスマスソングを弾かされて嫌気が差し途中で自分のやりたいfree jazzをやって即クビになる場面があったが、クリスマスにクリスマス気分を味わいに行くレストランなら私だってFree jazzじゃなくてクリスマスソングが聴きたい。

メインの稼業が仕事にならないならこのままダブルワークもやめて音楽も適当にして、昼間の仕事だけに戻った方がぶっちゃけ余程稼げる。どっちも好きなことって言ったって単純に2つ仕事をしているのは時間的体力的にきついことも多く、いくら体力に自信があるとはいえこの調子で何歳までやれるんだという不安。パーティなんかの仕事も若い方の方がもちろん見栄えもするし、今は呼んでもらえていてもいずれ無くなっていくだろう、ならば…と、そんなことももちろん考える。頑張って組んだライブにお客さんがあまり入らなかった日などは、やっぱもういいかな、、と思ったりもする。

でもふと、その昼仕事の方の話を聞いていて。

ちょっと忘れてしまってたな。
化学仕事、音楽仕事、どちらも片方ずつだけやった結果、今のスタイルになったんだった。

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これではダメだ、と思った日のことを今でもはっきり覚えている。歌の仕事で東京に呼ばれて歌った翌日、当時は京都住まいだったが、家に帰っても暇な日だったのでホテルを遅くチェックアウトし東京を散策していると、できたばかりのミッドタウンにたどり着いた。まだその頃は、音楽の仕事だけだった。ライブとレッスンの日々。レッスンでは70人近い生徒を抱え、充実の日々でもあったのだけど。

そこに居る人々、置いてあるもの、店構え、品物、雰囲気。自分がふと、とてもみすぼらしく思えた。いや、ちゃんとした服は着ていたのだが。一般社会と離れ、昼まで寝て夕方のそのそ出かけ、真っ暗なところで歌って、そのまま飲んで朝方帰りの繰り返し。

今作っている歌は一体誰に向けて歌っているのか。そこから余りにかけ離れすぎていないか。まずは朝に起きよう。土日を時々休みにしてみよう。そこから手探りが始まった。

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今のダブルワークが正解なのかどうかは知らない。周りにそんな人も例も無いから孤独の戦い。

自分で決めた人生なら後悔は無いはずとか名言ぽくまことしやかに言う人があるが何を言うか。人生なんてだいたい後悔だらけだ。いくらその時それが最善と思ってたって後から考えたらなんであんなことが最善と思ったんだってコトなんて山ほどある、むしろそんなことばっかりだ。

化学だけの10年、音楽だけの10年、そしてダブルワークで9年。時折迷って、どっちかだけにしたくなる。でも、やっぱりここにたどり着く。

先端のサイエンスに直接触れながら昼間、白衣着て頭使うのが単純に楽しく
最前線で演りあう人々と音を繰り出す夜も、単純に楽しい。

音楽では、これまでは比較的年下の方ばかりと多くやってきたけど、今になって、年上の方とやってみたい。というか、年上の方が今何を考えて、この年齢をどうやってきた乗り越えてきたのか話を聞いてみたい。

こないだ頃からようやく迷いが取れてきた。書く、創るということに意識を向けていると、これまでは通り過ぎていた言葉や風景が引っかかって来る。

このフィルター感を、失っていたのかもしれないな。

さて、短い夏休みは来春リリース予定のXANADU録音の準備とか、甲子園とか、香雪とだらだらとか、花の手入れとか。
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