ピアニストA

月4〜5回入っているホテルのラウンジ演奏。
コロナ禍に入ってからはマスク着用の上、歌無しピアノソロ。
日替わりで演者の変わる、名前の出ない、ピアニストAの仕事。

2ステージめの始まる頃に来られた年配男性お二方、お一人が

ここがいいな、ピアノの近くで見たいんだよ、ともう一方に言う。
もうひとかたの方は、窓際に行きたかったらしいが、あいにく埋まっていた。

始まると、近くで見たいと仰った方は
マスクしてるんだね、ピアノの演奏はリクエストしていいの
とかスタッフに話しかけている。

2曲ほど弾いたころ

あぁ、、、いいなぁ、、、
久しぶりだ、こんなの。ピアノの演奏なんて。。

と、心の声が思わずもれちゃった、みたいな声でつぶやかれたのが耳に入ってきた。

じっとこっちを見ておられるのを感じる。が、嫌な視線ではない。とてもくつろいで、楽しんでおられた。

3ステージ目をやりにまたピアノに向かうと

あれっ?もう一回弾いてくれるの?わぁ、じゃあも少し聞いていこう。いいでしょ、ともうひとかたの人に、たのむよ、もうちょっとだけ、とお願いしている。(もうお一方のほうは、だいぶオネムのようだった笑)

moon riverを弾いた。きっと、ご存知だろうと思った。

終わった後、”ティファニーで朝食を?”と声をかけられた。そうです、っていうと

ありがとう☺️

なんだか、涙腺に来てしまった。

あぁ、、、いいなぁ、って思わず出た言葉。

以前は、演奏を聞きに行かれたりしてたのだろうか。それとも、ピアノを習ったりされてたのか。

もうきっと出会うことのない、ピアニストAだから出会うお客さん方。

あの方の今宵が、良い夜になっていたら

とても、嬉しい。

楽屋で鼻歌moon river

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