フラメンコ考2〜カンテ=感性とテクニック
っていうサイトを見つけた。
Cante Flamenco=el sentir+la téchnica
カンテのテクニックを色々研究してて、ちょっと思いついたことがあり、日本にはカンテをボーカルテクニック的に捉えて理論として教えてる人は一人もいないので、つたないスペイン語でキーワードをぶち込んであちこちたどり着いては見てる。で、見つけたこんな動画。
クリスティーナヘレン財団っていうフラメンコ学校があるっていうのは聞いたことがあったのだけど、その学校ではこんな風にカンテが踊りとやるときにどうやるかっていうレッスンがあるんですね。
いやほんまね。こういうの無いと、フラメンコをやろうなんて歌の人はまず思わないですよ。どんなに興味あっても。フラメンコはカンテありき、とか言うわりに、あまりにも”カンテやろっかな〜”って入ってきた人に「自主的に」学んでもらうことに頼りすぎ、任せすぎだと思う。
あちら本国は歴史がある上にさらにこういう、理論的に解明しようとする人、技術として捉えていこうとする人、音楽としてやっていこうとする人がこんなに居る。Rocio Marquezなんてこの財団のコース二つコンプリートした上、大学出てカンテ理論の論文まで書いてるんでっせ。かなうわけがないよ。
こういうところまで行こうとして初めて、本場の人と対等に渡り合うための世界に入る入り口にようやく立てる。Classic、Jazz、POPSといった音楽やスポーツやら、いろんなジャンルで日本人が世界的に活躍しているのは、こういう教育の歴史を積み上げ、辿り、後に続いた人がまた教えて、研究を重ねてきてるから。感性とか精神論とかスペイン愛に頼ってないでちゃんと理論を研究して勉強しようよ。文句いう暇があったらリハーサルしようよちゃんと。合わなくても、それがライブだから〜ってのはただの言い訳。酒場でタダで踊ってんじゃないんだから。
フラメンコは即興の音楽だから、ってそんなもの即興がちゃんと出来るようになってからの話で、即興も出来ないもの同士でやって失敗するような即興を何で人が金出して見にきてくれるとおもうのか。そりゃ先細りするよね。
踊りは日本中に教室があって、スペインに行ったりなんども留学したりして学んだ方々が教えてきた歴史がある。でもカンテは無い。数人の人が自力でどうにかしてきたことに任されてるだけ。踊りには絶対必要だとか言うわりに。
フラメンコが好き、スペインが好き、だけじゃどうしようもない、ほんま。こういうものは。
まだ本国でもちゃんと体系的になってはいないカンテのテクニック。新しいアカデミックなスペインの論文をあさっても、まだ教育体系としては成立してない、とある。どんなものでも最初はそうだ。そこから、なんとか体系づけていこうとする人が出てきてようやく形になる。
それが出来れば誰でも出来るとは言わない。でも、教えてくれるところの無いものが発展した例は無い。
あのNiña de los Peinesですら、このテクニックを鏡の前で何時間も練習した、ってよ。絶対そういうのあるんだって。共通した声があるんだから、そこに共通したテクニックがあるねんて。スペイン人といっぱいやったり、何回も聞いて真似すればいつか出来る?んなわけないでしょw それができりゃみんなホイットニーヒューストンだよw
フラメンコは、音楽としてとても面白いと思っている。だからこそ興味もあるし、これだけの時間を割いてやろうと思ってる。
感性とか好きに頼ってる間は本当に愛とは言えない。
なーんてね。
