冬枯れの季節に

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ
【平家物語】
・・・
「栄えている者は、必ず落ちぶれ
思い上がったふるまいをする者は、長くは続かない」
というこのくだり。
ただ、栄えているものは落ちぶれる、ということを表現しているのではなく、
人が栄えた時の、そのふるまいに対する戒めとしても聞こえる。
どんなものにも、花の季節と、枯れ木の季節があるけれど
冬枯れの木に、また春になって花を咲かせられるかどうか。
若い木に花を咲かせることは、さほど難しいことではない。
少々水や肥料をやらなくても、少々日光があたらなくても
ある程度の木の体力でもって、次の年も、花が咲く。
が、年数が経つにつれ、水や肥料、日照の条件が蓄積されて、花の様相が変わってくる。
・・・
季節が廻って、春が来るたびに、前の年よりも、より艶やかに花を咲かせる。
元居た場所に帰る、最後の季節まで、去年よりもずっと、綺麗な花が、咲くような。
そんな風に、私は生きていたい。

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