好きとすごいとかっこいい
生業にしていると言われることが多い台詞の代表が、”音楽が好きなんですね”、だが、音楽人にも色々居て自分はどちらかというと、音楽だったら何でも好きっていうタイプではない。
興味や研究の対象だったり
うへーすごいなと感心したり
ひぇーかっこいいいいって感嘆したり
でもそれが”好き”かどうかはまた、全然違う話。
昨夜、夫と飲みながらそんな話になり、じゃあこの人は?このグループは?ってその道のトップスターだったりこれは大抵は通るだろうっていうアーティストをあげられたけど、その中でああ、めっちゃ好き!っていうアーティストは1人だけで、あとは前述したように、かっこいいとかすげーとか思うけど、自分の”好み”っていうセンサーだけ発動させたら、別にひっかからない。
ここを混同する場面って、結構多いと思う。つまり、好き・すごい・かっこいい、を一緒にしてしまってること。
つまり、かっこよくなくたって好きなものはあるし、すごくなくても好きなものはあり、すごいけど何も興味ないものもある。
私はここがかなりハッキリと分かれてて、そして、音楽の多くはどちらかというと興味と研究の対象。そして性格的に、好きになったら更にとことん研究するので、聞いているものがとても偏ってくる。
漫画でも同じで、色々読むというより、一つの作品を何巻の真ん中辺にこの場面、みたいなとこまで読んで読んで読み込んで、台詞も全部覚えるような、そういう聞き方。御堂筋くんも月島くんも覚醒は高一の夏、19巻とか(弱虫ペダルとハイキューの話です)
で、好きとすごいとかっこいいの全部乗せになって、だいたいやっと、好き、って言える。
何度聞いても好きなのはこれ、For all we know/Donny Hathaway。
曲そのものの良さに加え、歌の素晴らしさは言う由もがな、練りあげられたアレンジとサウンド、そしてなんと言ってもRoberta Flackのピアノ。
この曲、ホテルのラウンジ仕事でその日の一番最後に弾いているので、どんな少なく見積もってももう300回はやってるのだが、やればやるほどこの曲は、愛し合った二人が別れる歌というより、今生の別れを描いた曲なのではと思う。
最近になってようやく、いい感じで弾けたなっていう回が多くなってきた。一生のうちに何回、そういうことがあるんだろう。
