水鏡
水のような
冷たさのある文章が好きだ。
しなやかで、柔軟で
大地をも揺るがすような強い力を秘め
冷たいのに
触れるとじわりと伝わる温度がある。
文章にしても映画にしてもドラマにしても音楽にしても
五月蠅い表現が、あまり好きで無い。
しかしそれは
同族嫌悪だったようだ。
無理のある露出表現に眉間を寄せてしまうのも
自分がそうだったからだ。
人は己の鏡。
ひんやりと冷たいけど
触れると温もりがある
この東山魁夷氏の絵の如く
水鏡のような表現が
出来るように
なりたい。