芸術家と社会

AFF =Arts for the Futureという文化庁の芸術支援事業に申請するため、この1週間ほど奮闘している。

説明会を聞いて、(これがオンラインってのはほんま、コロナで良くなったところ。今までやったら某かの説明会会場まで行かないといけなかったろう)、団体のみが対象で、応募するなら新規団体立ち上げが必要、そのための約款なども必要と聞き

おぉふ…流石にこれは無理かな…と諦めかけたのだが

ん?待てよ?逆に考えれば団体立ち上げて約款作って、て、条件揃えれば行けるってことやろ

と思い立ち

そこから任意団体の立ち上げ、約款作成、団体の税法上の申告の仕方、もーそりゃ調べまくりにまくり、企画を考え、メンバーに連絡し、合意を貰えたら日程を出してもらい、調整し、店に掛け合い、とおそろしい文字通り怒涛の勢いで物事動かしてるうちに

お?なんやろ、自分を取り戻してきた感?笑

国からお金をもぎ取るため、昨日はガチ徹夜。今予算の最終調整してて、できれば今日中に申請してしまいたい。団体登録の第一段階はクリア。

+

このAFF補助金に対してはネットで見ていると、個人も保証しろ、新しい取り組みだけじゃなくて既存の取り組みにも保証は無いのか、団体なんて難しすぎる、と賛否両論ある。

提出する書類の量も多いし、約款てどーやって作るねん、申請の手引きや募集要項も公文書用語は読み取りが難しい。今まで芸術活動だけをやってきたミュージシャンにとってはムリゲー感半端ない。

が。

考えてみたら最小枠で600万の補助金。600万。軽く世帯年収の領域。

それを書類と実績一発で、しかも国から引っ張ってこようって話なのだ。簡単なわけがない。600万稼ごうと思ったらどんだけ働かなあかんのか。

もちろん自分の手元に600万が残るのではなく、そのほとんどがお願いする店やミュージシャンやスタジオやPAさんやらなんやらに行き渡るお金なわけだが

それこそがこの補助金の目的であり、国から渡した金で経済回せって話。国のことをよく考えるのも悪く考えるのも自分次第。

もしこの申請が通れば、実績主義の日本で”奥本めぐみには金を補助した経歴がある”という記録が残り、今後の活動にも大きな一歩になる。

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音楽業界の最悪なところは、一般社会の人にはあり得ない!と言われそうだが、未だにそのほとんどが口約束で契約書すら無い、ということだ。なんならその仕事が終わっても、今回の出演料がいくらもらえるのか分からないようなものすらある。そんな仕事他に聞いたことない。高校生のバイトですら、最初に時給の提示と合意がある。

ライブハウスでやられている多くのライブは、チャージバックというシステムが採用されていて、お客さんからいただいたチャージの何%が店、何%がミュージシャンで、そのミュージシャン分をメンバーで割ってギャラになると言うシステム。

例えばチャージ3,000円のライブで1ドリンク込みだった場合、多くは2,500円がチャージ、500円がドリンク。お客さんが30人いれば2,500円×30人=75,000円がチャージ収入で、例えばこれが店50%、ミュージシャン50%の取り分だったら37,500円がミュージシャン側の取り分となる。

このライブのバンドがもし5人で、均等割だったら、ライブ一発やって7,500円ってことだ。もちろん交通費やリハ代は自腹。

7,500円。

その日5時入りでライブ終わって片付けて11時とかだったら、時給1,250円にしかならない。ほとんど最低時給。その辺でバイトしてる方がよほどマシだ。

店の取り分は店に寄って違い、客入りが少なかったら店が9割とか言う店もあるし、80〜100%をミュージシャンに返してくれる店も時々ある。

が、どのライブも、基本は店もミュージシャンも”口約束”だ。不安定極まりないことこの上ない。

が、それを笠に着て社会システムの隙間を縫うように活動してるのが多くのミュージシャンの実状。自分は一般社会でも長く仕事をしてきたこともあり、この口約束契約書無しシステムには本当にずっと疑問があった。

これでは芸術活動が社会に参戦しているとは到底言えない。信じられないかもしれないが年金払ってない保険も払ってない免除申請すらしてない確定申告もしてないという人はザラにいる。

このコロナ禍で、音楽業界に打撃が来たのはある意味当たり前だとすら思う。そもそもシステム自体が社会に参加すらしてない。社会に認めてもらって保証して欲しいならまずその社会に参加しろってことだ。

国から補助金をもらうための書類を揃えるということは、そういう意味では社会への参戦でもある。自分の活動内容を文書化し、年度の事業計画と収支計画を立て、次の公演の予算を決め、自分を含め関わった人全員にお金が行き渡るように実行する。

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最初はただただ大変だったけど、予算組みしているうちに、

本当はこんなに金がかかるのか、とか

ミュージシャンそれぞれの思いとかを思いがけず知ることになったりとか

こう言う企画をちゃんとやろうと思うとこんな大変なのか、そりゃ企画制作料ってだいたい高いはずやわ!とか

良いことしかない。

なんとかこの申請を通したい。公文書的文書書きは得意分野。元産総研勤めの経歴がここへきて役に立つっていうね。

何が役に立つかなんて、ほんま人生先へ行かないと分からない。

さぁもうひとがんばり。

この申請が通ったら、ずーっと出来てないアレとかアレの活動予定ご報告が出来ます。皆さんどうか通るよう祈ってください!

書類に埋もれる、、、、

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