青函トンネルとversion1.0

昨今パートナーとハマっているのはPrime Videoで職人を堪能すること。プロフェッショナル仕事の流儀を見尽くして年明けからはプロジェクトX。職人とテクノロジーに心酔する我々の脳天を、その道のとてつもないプロが揺さぶってくる。

青函トンネルの回で登場された大谷豊二氏の青白く鋭い眼光と、最後の貫通式で胸に亡くした仲間たちの遺影を抱き、20年越しに掘り抜いたトンネルの北海道側からの風を浴びながら、見ろ、あれが約束の北海道だぞと叫んだという台詞にはもはや誰も勝てないと頭を垂れ、翌朝起きてからまでも、青函トンネルやばいわ。。。と話し合った。

「最初にそれを作った人」にとても惹きつけられる。電球を作ったエジソン、青函トンネルを堀ったトンネルマン達。創作と改良とは天と地ほど違う。現在ある全ての技術は誰かが創作したものの上にあり、そのほとんどがその後苦心して改良されたものだ。が、0から1を創るのと、バージョン1.0から1.1、2.1を作るのとでは、その苦労の質が全く違う、どっちが良いとかいう話では決して無いが、私はやっぱり、1.0を作った人に強く惹かれる。技術者の魂、これで世界が変わるかもしれないという思い、新しいものに対して、そんなものできるわけがないと言う反対流派との戦い。

全てのものが行き渡った現在では、昭和30年代のような世紀の大事業はそれを生み出すこと自体が難しい。自分は戦争のかけらも体験してはいないが、戦前戦中に生まれ育ち何も無かったところからその手で掴んできた人々と、全ての情報はとりあえず手の中のスマホで検索できる時代の人々とでは、話が合うはずがない。けど、互いの成り立ちを知り共有することで、お互いに敬意を払うことができる。

またこの番組中でかかる、プロフェッショナルでスガシカオ氏の歌う主題歌、プロジェクトXの中島みゆき氏の主題歌。どちらもその歌詞が本当に、素晴らしい。

「世界中のため息と 僕と君の甘酸っぱい挫折に捧ぐ
 あと一歩だけ前に進もう」

「地上にある星を誰も覚えていない、人は空ばかり見てる
 つばめよ高い空から教えてよ 地上の星を」

番組のどの回でも出てくるのは、それを作り出した仲間であったり、一人でやる仕事であってもそれを渡した依頼先であったり、互いが完成を願ったものをやり遂げた時に感じる気持ちの共有。

こういう歌を描きたいねえ、と、番組の余韻を語りながらグラスに残ったお酒を飲み干し寝床につき、起きてまでまだ語る。

同じ気持ちの共有、というのは、この世でもっとも幸福なものの一つなのかもしれない。

それにしても

青函トンネルやばい。

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