音楽を弾くこと

ピアノは3歳から始めた、というより始め”させられ”た。自分の意思はそこには皆無だったが、なんとなくそれなりに上手く弾けて、でも、どうやって弾けるようになったかは覚えてない。

この”なぜ弾けるようになったのかの記憶が無い”ところに大きな問題があることはずっと分かっていて、どうしたらそれを解決できるのか、ずっと考えてきた。

自分の育った時代は、運動部は水は飲むな、うさぎ飛びをやれ、な絶賛昭和の前時代なトレーニング法がまかり通っていた真っ最中。ピアノも、指を高くあげろ、弾けないなら筋力をつけろ、指トレーニングしろ、メトロノーム使って早く弾けるようにしろ、な時代で、それで教わってきたし、そういう練習をしてきた。

しかしそれなりに3歳からずっとピアノを弾いているのに、どうして自分が思うように指が動かないのか、いつまで経っても”そこ”に指がパッといかないのは、どう考えても練習法や考え方が間違っているのでは?と思いながら、あれこれ教材や教則本を試しては辞め、上手く出来ないから諦め、が続いていた。

いや、諦めの方が強かった。

いや。諦めてた。

年齢を言い訳に、歳だし、早くプロを目指した人には大きく遅れてるし、ピアノはもうこれ以上は上手くはならないな、自分はここまでだな、もっと早く本気になるんだったな、才能ある人いいなぁ、自分は才が無かったんだなぁ。ひたすら言い訳。

みっともない。

コロナ禍で音楽の仕事は激減しライブもやる気にならない中(個人的にアクリル板、マスク、消毒、そこまでしてライブやりたくない)、もう音楽は廃業しようとも思った。そもそも音楽も、好きだったっけな…?自分には別に音楽は必要じゃないのでは…?

普段もそんなに音楽聞く方じゃないし、いや、昔は聞いてたのかな、いや、それも教材として、かな…と考えるうち、どんな音楽でも気持ちがあがるわけではないけど、やっぱり好きなジャンルだったり、これは聴きたいなって思うものはあるし、しばらく音楽に触らないでいると、なんか曲作ろうかなと思う自分がいる。

少し前に、奏でる音楽がどこに向かっているか、というようなことを書いたが、自分の音楽は少なくとも今は外を向いていないだけで、音楽で金儲けはしなくても、自分のための音楽はやりたいなと思う。

そう思うと、ピアノも歌もそれで日本や世界を股にかける人にはなれなくても、自分が弾きたい曲を弾きたいだけ練習して思うように奏でられるようになることなら、やりたい。

でも、手が動かない。指の練習なら…ハノンか…?と昨年末、毎日とにかく練習しよう、と思い立ち、まずはルーティンワークのためのメニューの作成に取り掛かり、小学生の頃から使っているハノンをまた開く。

別にそれなりに弾ける。でも、この速さで、思うフレーズは弾けない。

…いやもうどう考えても、ハノンいつまでもやるんとかおかしいやろ、これなんか意味あんの?と思い、ネットに齧り付いてほとんど藁をもすがるな思いで方法論を探していて見つけたとある教則本。

いや、それだよそれ。それが知りたかった。の応酬。もう100年も前に書かれた本なのに。その瞬間に、ハノンやツェルニーや、昔から持ってただけの積ん読教則本は全部捨てた。もし必要になったらまた買えばいい。やりもしない教則本の山を並べてやった気になるような甘えはほんとにもうやめたかった。それでも、”指を高くあげる”と子供の頃の字で書いた、40年以上家にあったハノンを捨てるのは少し勇気が要ったけども。

その第一巻が良かったので、フリマサイトで他のシリーズも探して(現在絶版の本のため)、年明けにようやく見つけて買った中に、その手法を身につけた方の書かれた、ピアノの弾き方に関する読み物がセットで入っていた。

それを昨日から読んでいるのだが、このくだり。

基本の指の使い方を身につけることと、先へ進んだならば読譜の慣れのために、初見練習には役立ちますが、それ以上重視する必要はなく、(中略)すぐれた芸術作品を学んでいくことがメトードの中心となります。無味乾燥なエチュードを弾きまくる必要は全くなく、さまざまな音楽を学ぶことによって、より豊かな感性を育て、さまざまなタッチを身につけて、(中略)素晴らしい音楽の喜びを味わいながら、音と頭と指が統一体としてはたらくピアノ

あたまで弾くピアノ〜心を表現する手段

+

この著書の基本になっている、ツィーグラーという方(修道尼だったそうだ)の書いた教則本を、毎日やっている。

毎日のルーティンメニューがだいぶ確立されてきて、ツィーグラー10分、クラシックの曲の譜読みと弾き込み15分(今はトロイメライと月の光)、ジャズピアノのスケール練習15分、ピアノソロ用の曲のアレンジ15分、アレンジした曲を暗譜で弾いてそのあと歌伴考えながら歌う練習15分、ソロ練習10〜15分、合計だいたい90分。人の集中力の続く長さ。且つ、忙しくなつても確保できる長さ。

毎日飽きずにきちんと、楽しく、確実に一歩ずつ進むことが目的なので、それぞれの項目は短い。あれっもう終わりか、っていうくらいの量。だいたいどの項目も、途中で終わる。でもやり込んでしまうと、続かないのは知っている。

進みたい時に、いっぺんにやろうとするから進まない。どんな長い道も、一歩。一歩から。

ほんまそれ武田先生。
仰る通りですすいませんでした😓
(ハイキュー24巻)

でも、1週間やれば、各項目が1時間以上になり、譜読みやアレンジも、結構進む。この二ヶ月で、アレンジは6曲終わって覚えたし、トロイメライは暗譜で結構いい感じで弾けるようになってきたし、月の光もBセクションの豪奢な部分に入ってきて楽しい。

齢51になり、今更何をと言われるかもしれない。でも、良い音楽は、良い音から、を、今度こそちゃんと、やりたいのです。

音楽を日々ちゃんとやろうと思うと、日々のスケジュールがちゃんとしてないと出来ないし、日々のスケジュールをちゃんとやろうと思うと、体調メンタル管理もちゃんとしてないと出来ないし、体調メンタル管理をやろうと思うと、食べること、服装、運動、家を整えること、と、生活の全てが、音楽につながって来る。

良い音楽は、良い生活から(金持ちという意味では無い)

何もなくても毎日7:30には起きて
身支度して朝食食べて、ルーティンまではくつろいだり読書したり。
生活は、楽しい。

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