多生の袖〜おばあちゃまのお宅へ、その1〜

一昨日散歩の途中でお会いしたおばあちゃまのおうちに、遊びに行ってきた。

昼下がり、小雨になった合間を縫ってお宅を訪れ、呼び鈴をぴんぽーん。

「はあい?」

こないだお会いしためぐみでーす。

「・・・え!?えぇ!?」

ドアの向こうで足音がするくらい慌てて出てきてくださったおばあちゃま。

今日は敬老の日だったので出る前に一瞬、息子さんとかが帰ってきておられるかも、とも思ったのだけど、家だけ聞いて電話番号を聞いていなかったので事前にお尋ねすることも出来ず、まあとりあえず行ってもしご家族がいらっしゃったら日を改めますって帰ってくればいいやと思って来た、と伝えると

「息子は午前中だけ来ててさっき帰ったとこなの!とりあえずあがって!!!」

と迎えてくださった。香雪も一緒。初めてのお宅に少し戸惑っていたが、すぐ慣れた様子。

「少し前まで、今日いらっしゃるかも、と思ってちゃんとした服を着ていたんだけど、もうお昼もだいぶ過ぎたし、やっぱりあの時だけのことだったのかなあ、、、もう忘れちゃったわね、、、って諦めて着替えてしまったの!こんな格好でごめんなさい!」と恥ずかしがりながら、何かおやつでも買っておけばよかったわあ、、、と動き回るのが本当に可愛らしいおばあちゃま。

「やー本当に嬉しい!ほんとに来て下さるなんて!あの時はああ言っていたけど、もういらっしゃらないかもなあ、でもまたお近くだからそのうちお会い出来るかなあ、なんて思っちゃっていたの!!やだわああたしったら!」

と、お部屋に通されるままにふと入り口を見ると、物凄い数のCD!!!!!

わ、凄いですねこれ!と思わず言うと

「凄い数でしょう。主人がね。好きだったの。本と音楽とお酒しか趣味の無い人でねえ。。。」

こないだの立ち話でご主人は5年前に鬼籍に入られたと聞いていたのだが、ぱっと見ても1,000枚はくだらないであろうCDは全てクラシック、多くがブラームス。ありとあらゆるオケと指揮者で揃えてあり、アバドの字が目立つので、ご主人アバドがお好きだったんですか?と聞くと

「・・・分かるの!?!?」

一応クラシック出身なんで、、、私こないだ言わなかったけど、歌が仕事なんですよ、今日聞いていただこうと思って、去年出したCD持ってきたんですよ今日。

「ええええ、そうなの、、、、んまあ、、、、、、、これも主人が引き合わせて下さったのかしら。あ、主人。見てみて!」

と隣の部屋へ連れていかれると、ベッドの横にそれはまあとても大きなお写真!!!!

「あのね、もうこれだとだいぶ年でアレだけどね、昔すっごくかっこよくってね。

あたしがね、、、、惚れちゃったの。。。。!!!(/ω\) 」

んもう。。。。ちょっと。。。。なんてカワイイ。。。。(/ω\) 

そこからご主人のご趣味の話になり、もう随分処分しちゃったんだけど、良い本だけ残してあるの、ちょっとこっち来て!、と今度はご主人の蔵書の部屋へ。

古い岩波の本とか難しそうな洋書とか、ご主人なかなか凄い方だったんだろうな、と背表紙を見ていると、堀文子、の文字。

あ、堀文子さん、私この方の書かれた本、何回も読んでるんですよ、すごいですよね今でも絵を書いておられて現役で!

「え!?知ってるの?あなたホリさん知ってるの!?」

お会いした事は無いですよ!単なる読者です!

「んまあ。。。。私なんて全然知らなかったのに!この方ね。私の伯母のね、ご学友。女子美を出ておられるでしょう?伯母も女子美だったの。この御本も頂いたものなの!」

なんと。。

堀文子氏の本のことは、以前日記に書いたことがある。

初体験〜堀文子氏の言葉

90歳を超えて今尚現役の画家として活動している堀文子氏の本を何で知ったかは忘れた。10年ほど前に、本当に何度も読み返すものだけを手元に残しあとは大量に処分して、その後も読み返さないな、と思う本は処分してきたので、私の家の蔵書はとても少ない。そこにずっと鎮座している堀氏の「ひとりで生きる」という本。今でもよく読み返している。

その事をおばあちゃまに伝えたら

本当にあなたとは、何だかご縁があるのねえ。。。

この本、持って帰って!

ええええええ。。。。そんな!!!

いいの!だって私なんて一度も手にも取ってないんだし、息子達も興味ないし、持ち腐れなんだもの。お嫌じゃなかったら、持って帰って!はい!

あと、CDも全部あげるからいつでも持ってってくださいな!

たまたま道ですれ違って、ちょっと話しただけなのに、不思議なほどに話が弾む人というのは時折いるもので、このおばあちゃまは正にそう。おうちにまでお邪魔して、いきなり本をもらってしまった。

ここまで、おうちを尋ねて15分ほどの出来事。この後まさか、別の接点があるなどとは思いもしなかった。 そして昔おうちのあった神楽坂のお話、空襲のお話、勝新太郎の話(!)は、また明日。

写真は昨日のフラメンコでお客様から頂いた花束、おばあちゃまから頂いた堀文子さんの画文集2冊、そして私が持っていた愛読書。今日はこれから少し飲みながら画文集を。うふふ。

 

追記。

 
頂いた御本、というおばあちゃまのお言葉どおり、初版
 
 
さらに毛筆でしたためられたサインが。。。ありがたや。。

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