なでしこ
昼仕事で超の付く劇薬を使ったこの一週間。もちろん細心の注意とちゃんとした設備とその薬品についての知識をもって扱うわけだが、それでも起こるのが事故。本当に気をつけている、けど、怖い。
どんだけ手袋二重とかしてても、扱ってるのは自分の手。この手で今使ってる液体を何かのはずみで間違って手や指にでもこぼしたりなんかしたら最悪は切断、間違って口に入りでもしたら最悪お亡くなりという薬品を扱うというストレスたるや相当のもの。
仕事場で久しぶりにお会いした先輩の方に、どーしたん、えらい疲れてるやん、と言われたので
はぁ、×××使ってまして、
と一言言っただけで
あ、、、
お疲れさん、、、、、そんなん使ってるんや、大丈夫なん?
(女性は扱わないことも多い。っていうか劇薬すぎて男でも嫌がる)
そこから
あっ、ひょっとして今指についたかも?!って時、そこが痛くなってきたりせぇへん?とか、夜寝る時も大丈夫やったやろか今日、って気になったりするよな、という話題でひとしきり盛り上がれるのもその劇薬を扱う経験者ならでは。その薬品は、付いた時に痛みは無い、らしい。そのあと皮膚から骨に入り、骨を犯して神経に触れた時に激痛が来るそうだがその時にはもう遅い、らしい。なので夜まで何か気になってしまう。
とりあえずのところは金曜を迎えたという解放感とその疲れとで、昨夜は帰宅してお腹がとても空いていたのだけど作る気にも食べる気にもならず、でも神経が緊迫感で高ぶっていて、寝てるような起きてるようなで朝方4時頃ようやく寝床へ。
朝もゆっくり起きて、やっと26時間ぶりのご飯。
美味し。。。
ほんと世の中は、こういうのとは別でも、危険と紙一重のところで仕事してる人はいっぱい居る。建築然り、製造然り、医療然り。
別に昼仕事なんてしなくてもいいやん、音楽だけでやっていけないの?なんでしかもそんな危ない、って言われることもままある。
なんでかっていうと、ただ好きだから、やな、この仕事が。音楽だけやれる人間じゃないな、と昼仕事してていつも思う。音楽だけの時代も10年以上あったしその頃結構稼いでいたけど、そのコウモリみたいな生活時間帯もあって、何かどうしても心が濁ってくる。自分は。芸事も大事だけど、同じくらいアカデミックなことに頭を使っていたい。
若い頃は夢と理想と希望に満ち溢れそれに凝り固まって、例えば進学先を決めたり就職したり将来を決める場面になって、こういうことがしたい、こういう風になりたい、これでオレはやっていくんだ!あるいはその逆で、やりたいことが何にもない、みんなすごく理想があるのに、と、ガッチガチに決めてしまいがちだ。けど別に金を稼ぐなんて手段は何でも良くって、それよりもその仕事がやってて楽しいかどうかとか、人間関係は良好かどうかとか、仕事に見合った給金かとか、そんなことの方が余程大事になってくる。
少なくとも音楽だけは、やりたいことを完遂したい。音楽だけは、やりたくないことを絶対にやりたくない。生きてるだけでも希望しないことが次から次へと降り注いで来るのに、音楽ですらやりたくないことなんて何でやらなきゃいけないのか。やりたくない時点でもうただの音列でしかなく”音楽”は奏でられない。やりたくないこともやるのがプロでしょっていう言葉にはいつまで経っても納得できない。やりたくないこともやるのがプロと言うのは技術屋方面のことを言うのじゃないのかね。その前に、それが音楽なのかどうか。
なーんてね。
なでしこ綺麗だなぁ。秋あき。
