白い坂のある街〜弾き語りの部屋106
阪神大震災から25年が経ちました。
神戸の人間にはその日から震災前、震災後、と区切られるようになりましたが、私にとってはこれで震災前と震災後が同じ年月となりました。
あの日を忘れない、とは、よぅ言いません。
全てを細かく覚えていたら、辛過ぎてやっていけない。”忘れる”ことは、人に与えられたとても大切な回避能力でもあります。忘れていいのです。
忘れてはいけない教訓と
忘れたくない人や物事だけを覚えて
これからの震災後を過ごしてゆくのです。
震災後に、やっと音楽を本気でやる気になりました。
その年は大学院を出て、会社に入って1年目。当時の日記を読み返すと、震災前の夏くらいから自分に言い聞かせるように、音楽は趣味でいい、音楽なんかじゃ食っていけないんだから、と何度も書いていました。
私のオリジナルで、heat elementsでもソロでもやっている【白い坂のある街】は、震災後、いずれは書きたいと思いながらなかなか書けなかった歌。譜面には、2004年4月と書かれています。
あのことが自分の中でひとつの出来事として落とし込まれ、心情を客観的に見られるようになるまで9年かかりました。書いた当初はまだ、歌うたびに思い出して冷静には歌えなかった。
でも歌うたびにこの曲は、あれはいい、あれが聞きたい、と、お客様にも共演者にも言っていただけて、本当に色んな場所で、色んな方とやってきました。
というわけで、今日のピアノ弾き語り動画は、セルフカバーでこの曲を。
良き1日を、お過ごしください(*´ω`*)